宮島🦌荒胡子神社(厳島神社・境外末社)【重要文化財】

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宮島・「荒胡子神社(厳島神社・境外末社)」【重要文化財】

創建年

  • 1441年(嘉吉元年/室町時代中期)
再建年

  • 1591年(天正19年)※安土桃山時代
建築様式(造り)

  • 一間社流造(本殿)
屋根の造り

  • 檜皮葺(本殿)
大きさ

  • 四辺:約1.5m
重要文化財指定年月日

  • 1904年(明治37年)2月18日
御祭神

  • 素戔嗚尊
  • 事代主神
社格

  • 厳島神社・境外末社
祭事

  • 11月20日

厳島神社「荒胡子神社」の読み方

荒胡子神社は「あらえびすじんじゃ」と読みます。

厳島神社・荒胡子神社の御祭神は「えべっさん??」

荒胡子神社の御祭神には、出雲大社にご鎮座の縁結びの神様・大国主大神の子神「事代主神(ことしろぬしのかみ)」がお祀りされています。

大国主大神は神仏習合においては、七福神の「大黒さん(大黒天)」としても有名です。

事代主神も父親と同じく七福神の一柱「えびす神」として有名であり、釣り好きであったために「海とも深い関係のある神様」です。

父親と同様に古くから福の神・五穀豊穣の神として信仰が寄せられてきた神様でもあります。

尚、「えびす神」と「大黒さん(大黒天)」とはご利益は類似しておりますが、まったく別の神様です。




厳島神社「荒胡子神社」の歴史・由来

⬆️賽銭箱の手前に木柵が張られていて本殿まではいけない。

荒胡子神社の創建とは室町時代の中頃と伝えられており、もとは近くの大願寺に属する神社であったと云われております。

明治維新の頃(1867年/慶応3年)まで、現在の敷地に大願寺の子院「金剛院」が建っており、その金剛院の子院として大願寺の管理下にあったようです。

その後、金剛院の本堂が解体されて本堂の中に建っていた本殿のみが残されます。これが現今の荒胡子神社の本殿になります。

境内の敷地面積は小規模で、入口に石製の鳥居が立ち、その奥に瓦葺屋根の四脚門があり、さらにその奥に朱色の本殿が鎮座します。

荒胡子神社の本殿は、国指定の重要文化財に指定されており、作者は「島田三郎左衛門尉宗」と伝えられています。

現在見ることのできる姿は、1591年(天正19年)に毛利輝元が再建した時のものです。

荒胡子神社の御朱印の種類・初穂料(値段)

荒胡子神社には残念ながら御朱印はありません。付近では厳島神社はじめ、千畳閣、大願寺、大聖院などで授与されています。宮島の御朱印に関しては以下のページをご覧ください。

荒胡子神社の建築様式(造り)・特徴

当神社の建築様式は一間の大きさの「流造り(ながれづくり)」です。

こけら葺き(桧皮ぶき)

このようなスモールな形状の社殿は、特に珍しいものではなく、ごく身近に見られる。

大きな違いとしては、檜皮葺(ひわだぶき)という最高級品質のヒノキ材を使用して葺かれているところであろぅ。

しかし、社殿が綺麗

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荒胡子神社の本殿を見れば分かりますが、年数を経てきた割には風食の影響を受けず、綺麗な社殿をしています。

しかし驚くのはこの本殿は室町時代に創建されて以降、簡易的な修繕はされたものの、社殿そのものは室町時代のものです。

社殿が綺麗な理由は上述したようにかつて金剛院の本堂の内部に建てられていたので、雨風にさらされることなく、風食の影響をも受けなかったからでしょう。

仏教色の濃い社殿

他にも、格式高い造りを社殿の造りの細部に見ることができます。

近くに行って目視しないと分かりませんが、本殿の軒下には蟇股が据えられています。

ただし、この蟇股は正式には本蟇股(ほんかえるまた)と呼称し、平安時代後期に流行した組物の部材です。

この蟇股の内側には仏教色の強い火炎宝珠(かえんほうじゅ)の透し彫りが施されています。

画像は厳島神社より

神を祀る殿舎でありながら、このような仏教色の強い火炎宝珠の蟇股を飾っている事実からしても、通例であれば明治初頭に行われた神仏分離令において撤去されていたもおかしくはないハズなのですが、奇跡的に難を逃れて現存しています。

すなわちこの荒胡子神社の現存する姿をもってして、この神聖な厳島神社においても確かに神仏習合の時代があったことを物語っています。




柱が円柱

社殿正面に見える円柱は要チェックやでぃ〜!‥‥‥すべきポイントです。

円柱は円形に加工するまでに時間を要するので、柱の中では最上格に位置付けられます。

円柱は権力や資金力を示すバロメーターとも成り得るものです。または社殿内に奉斎される神の尊さや信仰の度合いの指標。

これは神社建築によく見られる造りではありますが、当社の流造りは他と少し異なり、柱にすべて円柱を用いられています。

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⬆️写真の社殿は賀茂神社境内の貴布祢社・若宮社本殿の本殿。前方の庇のみが角柱。(画像は文化遺産オンラインより)

⬆️伏見稲荷大社の本殿も同じく前方の庇のみが角柱。

通例の流造りの建築様式は前面の長く飛び出た庇部分に四角形の角柱が用いられ、母屋となる本殿部分に円柱が用いられる例が多く散見されます。もしくはすべて角柱という例も散見されます。

当社のようにすべてに円柱が用いられる例はあまりなく貴重です。

おそらく人目に触れることのない、寺院の本堂の中に祀られていたことから、その造りも発願者(造営の依頼者)の意図を汲んだ特殊なものになっていると思われます。

荒胡子神社の祭事「例大祭」

荒胡子神社では例年、11月20日に例大祭が開催されます。

この日は特別に鯛の絵の「飾るタイプのお守り」の「鯛紙」が授与されます。

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  • 鯛の絵守りの値段:1000円
鯛紙の使用方法

鯛紙はお店の中や、家宅の中に貼ってお祀りします。

鯛紙のご利益

家内安全、子孫繁栄、縁結び、航海安全

鯛の絵が気になって眠れない方は11月20日を狙って訪れてみてください。ウフフ

荒胡子神社の場所(地図)・アクセス(行き方)

荒胡子神社は厳島神社の境内にある神社ではなく厳島神社の入口の付近に位置し、千畳閣・五重塔の真下にあります。

目印として、神社の隣に「焼きガキ・とりい」のお店があります。

厳島神社(西回廊/出口)から荒胡子神社までの所要時間・距離

  • 所要時間(徒歩):約2分
  • 距離:約200m
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