原爆ドーム世界遺産登録の理由・経緯

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1992年、広島市議会が「原爆ドームを国の世界遺産候補リストに登録するよう要望する」意見書を採択しました。

翌年から始まった、原爆ドームの世界遺産化を求める国会請願のための署名運動では、全国からなんと165万3996名分の署名が集まり、1994年には、この署名を添えた国会請願が、衆議院と参議院で採択されます。

それまで原爆ドームは、文化財保護法の保護を受けておらず、世界遺産に推薦する要件を満たしていなかったため、国はまず史跡の指定基準を改正し、原爆ドームを国の史跡に指定した上で、世界遺産委員会に推薦しました。

そしてついに、1996年、「世界遺産条約」に基づき、原爆ドームはユネスコの世界遺産一覧表に登録されたのです。

「原爆ドーム」世界遺産登録の理由

世界文化遺産の登録基準は6つあり、原爆ドームはそのうち6番目の、

「顕著で普遍的な意義を有する出来事、現存する伝統、思想、信仰または芸術的、文学的作品と直接にまたは明白に関連するもの」

という内容に該当するということで登録されることになりましたが、この基準は他の5つの基準と組み合わせて判断材料とされるのが好ましいとされ、この基準のみを満たしたことで世界遺産に登録されるのは珍しい事例となっています。

負の遺産「原爆ドーム」

世界遺産の中には、過去に人類が犯した悲惨な出来事を後世に伝えるために登録されているものがあり、こうした世界遺産は、「負の遺産(負の世界遺産)」とも呼ばれます。

原爆ドームも「負の遺産」の一つで、人類史上初めての原爆投下による被害の悲惨さを伝え、核兵器廃絶や世界平和を願うシンボルとして、世界遺産に登録されました。

「負の遺産」に明確な定義はありませんが、例えば、ポーランドの「アウシュヴィッツ強制収容所」や、マーシャル諸島の「ビキニ環礁の核実験場跡」などもこれに含まれるとされています

このうち、「アウシュヴィッツ強制収容所」は、原爆ドームと同じく、上掲の世界遺産登録基準1つのみを満たして登録された例です。

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