音戸の瀬戸にはなんと!「日本一短い航路」を持つという渡船があるのをご存知でしょうか?
現地に行けば分かりますが、対岸から対岸が目視できますので本当に至近距離にあることが分かります。
以下ではこの日本一短い航路をもつとされる音戸の瀬戸の渡船についてご紹介しています。
音戸渡船とは?
音戸渡船とは、「音戸の瀬戸」と呼ばれたこの海峡を渡す船として、江戸時代より歩んできた歴史があります。
川幅はわずか70m〜約120mですが、音戸の瀬戸は古来、潮の流れが速く、高い操船技術が必要とされる瀬戸内海屈指の難所でもあります。
現在は音戸大橋が架橋されていることから利用者が激減し、一時期、渡船の存続が危ぶまれましたが、地元民が声を上げ、呉市が運営資金を提供する形で、なんとか存続が成り立っています。
音戸渡船が廃止!!
音戸渡船は江戸時代より現在まで営業が継続されてきた伝統ある渡船でしたが、令和3年(2021年)10月31日をもって廃止となりました。
廃止理由としては、2021年に入って台風の影響で2隻の船が相次いで故障したこと。そして、その影響で7月中旬から運休状態にあったこと。
一時期、「音戸渡船みらい基金」プロジェクトと称してクラウドファンディングを募集していたが、結局、再開の見込み立たず、ついに船頭が呉市などへ継続断念を申し入れたとのこと。
コロナ禍で客足が遠のいたことも要因に挙げられる。
‥‥‥本当に残念!
「音戸の瀬戸」とは?
音戸の瀬戸とは、現在の厳島神社を造営したとされる平清盛公が、平安時代に陸を取り除いて海路を無理やり造ったとされる場所です。ぬぅあんとぉぅ!たった1日で開削したという言い伝えまで残されています。
・・と、これだけ言っても分かりにくいので、ちょっと音戸の瀬戸を地図で真上からご覧ください。確かに本土とは明らかに離れた地形をしていることが分かります。
⬆️呉市と音戸の瀬戸の位置関係図⬆️広島市と音戸の瀬戸との位置関係図
清盛公が音戸の瀬戸を造った確たる理由は定かではありませんが、これは地形を見れば理解できます。
音戸の瀬戸は倉橋島の先端に位置し、例えば大阪港から広島や厳島を目指した場合、音戸の瀬戸を抜けることで最短距離での航路が実現できます。
もし、音戸の瀬戸が無かった場合、どうなるでしょう?
倉橋島に沿って迂回する形で広島や厳島を目指すことになります。瀬戸内海は潮の流れが速い上に予測がつきにくく、清盛公が存命中だった当時であれば、輸送も困難だったハズです。
そこで倉橋島の先端部分を切り取って海路にすることで、自身が精力的に行った大事業である日宋貿易などで大きな利が得られると考えついたのでしょう。
この他、平清盛公は音戸の瀬戸を開削する際、人柱の代わりに工事の成功を祈念して経文を1個の小石に1文字ずつ書いた経石を海底に沈めたと伝えられており、その上に建立された石塔が現在の清盛塚だと云われています。
「音戸の瀬戸」の名前の由来
音戸の瀬戸と命名された理由は定かではないようですが、古来、そう呼ばれています。
音戸の瀬戸の渡船は1社のみ
音戸の瀬戸の渡船は、宮島と本州をピストン航行するフェリーであるJRや松代汽船のように2社あるワケではなく、1社のみ(呉市)が運営しています。
1社になってしまう理由は、上述した音戸大橋の架橋により、単純に利用客が減少したことが理由に挙げられます。
また、乗船方法も煩雑さはなく、至ってシンプルぷるプルです。受付で金銭を手渡して船が対岸から迎えに来てくれるを待つだけです。
乗り場も待合所のような施設はなく、受付の手前にかろうじて5人〜10人くらいが腰掛けできるベンチがあるのみです。
音戸の瀬戸 船着き場の場所
音戸の瀬戸の渡船乗り場は、次の2つあります。
1.音戸の瀬戸公園の足元
2.音戸の瀬戸の文化会館うずしお付近
いずれの乗船場所も付近に呉駅まで運行しているバス停があるのですが、バスの運行本数が多いのは音戸の瀬戸公園側の船着場です。
音戸の瀬戸の渡船の航路・距離・所要時間
音戸の瀬戸の航路
- 航路:音戸町〜呉市警固屋
- 距離:約120メートル
- 所要時間:約3分
冒頭でもご説明したように音戸の瀬戸は全体を通して狭い箇所で川幅が約70m、広い箇所で200mはあります。音戸渡船の船着場は正対する形で対岸同士にはなく、斜め方向の対岸になるため、航路も少し長くなります。
渡船の乗り方・券の買い方
音戸の瀬戸の渡船は受付行って乗船人数を伝えて桟橋まで行くだけです。乗船券はありません。
桟橋まで行けば対岸から勝手に船が迎えにきてくれます。
音戸公園の足元の乗船場所の受付の外観
- 住所:呉市警固屋8丁目7番
中に受付の方が1人常駐されています。敷地面積やベンチの数を比較しても規模的にはコチラの方が大きいです。
観光文化会館うずしお側の乗船場所の受付の外観
- 住所:呉市音戸町引地1丁目
規模的には上記、音戸公園の足元側の乗船場所の方が大きいです。受付には1人常駐しておられます。
桟橋の外観
観光文化会館うずしお側
⬆️対岸が見えるので迎えに来てくれる。ちなみに写真は観光文化会館うずしお側の桟橋
音戸公園側
音戸の瀬戸の渡船の料金
- 大人:100円
- 小人:50円
- 自転車:150円
- 原付バイク:200円
割引
- 自転車サイクルーズパス提示割引:150円→120円!(30円割引!)
定期券
- 学生:1500円 (1ヶ月)
- 一般:2500円(1ヶ月)
音頭の瀬戸の渡船の料金は片道で大人100円です。クレジットカードは使用不可。現金のみの取り扱いです。
音戸の瀬戸の渡船の営業時間(運航時間)
- 営業時間:午前5時30分〜午後19時30分まで
- 昼休憩(食事休憩):平日10時〜13時は運休/土日祝日11時〜13時は運休
- 定休日:基本、年中無休※メンテナス時は除く
音戸の瀬戸の渡船の混雑具合
自転車を搭載できることから、渡船を利用するのは高校生がメインです。観光客に関しては片道のみの利用者がほとんどですので、混雑は年中通してほぼありません。待ち時間が発生して1本見送るようなこともありません。
音戸の瀬戸の渡船の時刻表
音頭の渡船に時刻表はありません。
対岸の船着場が極めて至近距離にあることから、お互いの船着場にいる先頭さんがお客さんがいるのを確認すれば船を出してくれます。
ただし、桟橋まで出ていく必要があります。桟橋まで出ていくと対岸から姿見えます。例え1人でも姿を見かければ船を出してくれます。ウフ
渡船の乗船可能人数・長さ・内部の状況など
- 乗船可能人数:約50人
- 長さ:9メートル
音戸の瀬戸の渡船は、昔ながらのポンポン船です。ポンポン船はポンポン♪と音を出しながら航行する船です。
エンジンはヤンマー製の50馬力で昭和24年から修理を繰り返して使用している年季の入ったエンジンです。
乗船後、ストレートに直線状に対岸まで行けないことに不安を感じますが、これは操縦が下手っピなのではなく、潮の流れが速いので船が潮パワーで押し流されてしまうからです。
渡船の内部の状況
⬆️公園ベンチのような客席がある。規格では50人が乗船できる。
操縦席には、海賊船に付いているような現代ではあまり見かけることのないレトロ調の舵が見えますが、なんと!60余年も使い込んでいるとのこと。見どころです!必見!
希望者は「海峡横断証明書」が貰える!
渡船を乗船した方限定で、海峡横断証明書ももらえます。証明書の裏側には航路図まで掲載されています。
ただし、発行料金として100円必要になります。旅の思い出に1枚いかがでしょうか。
証明書が欲しい場合は、受付へ行って欲しい旨を申告するだけです。
渡船内部から観た周囲の景観
⬆️1961年(昭和36年)12月3日に架橋された「音戸大橋」 ⬆️音戸大橋を真正面から見ることができる最高のビュースポットでもある。
音戸の瀬戸へバスで行く際オススメの下車バス停
音戸の瀬戸の渡船の船着場には、それぞれ付近に呉駅まで運行しているバス停があります。
上述したように、渡船なので対岸同士の付近に船着場があるワケなのですが、いずれの船着場から乗船して下船すれば良いのか?迷うところではあります。
そこでオススメの乗船場所と下船場所をご紹介しておきますが、先に清盛塚バス停で下車するのがオススメです。
呉駅→3番乗り場から「音戸・倉橋行き」のバスへ乗車→「清盛塚バス停」で下車して→「観光文化会館うずしお」でランチ(昼食事)→徒歩1分先にある渡船乗り場で渡船に乗船→対岸に渡って音戸の瀬戸公園などを観光→対岸の船着場付近のバス停(音戸渡船口)、もしくは音戸の瀬戸公園の最寄りバス停から呉駅行きのバスへ乗車→バス乗車時間・約30分→呉駅
注意点
上り路線(音戸の瀬戸→呉駅)へ向けて運行しているバスの運行本数は、音戸の瀬戸公園の足元にある船着場付近のバス停「音戸渡船口」の方が圧倒的に多いです。
呉駅3番のりばからは音戸の瀬戸方面行きのバスの中に「昭和町行き」や「鍋桟橋行き」のバスも運行していますが、これらのバスへ乗車すると音戸の瀬戸渡船口や清盛塚までは行きませんのご注意ください。途中の「昭和町」や「鍋桟橋」が終点となり、再び呉駅まで引き返してしまいます。
呉駅から→清盛塚までのバス運賃・バス乗車時間(所要時間)
- バス運賃:390円
- バス所要時間:約30分
音戸の瀬戸へのアクセス(行き方)
音戸の瀬戸へのアクセス方法については以下のページをご参照ください。
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