宮島・弥山「御山神社」【厳島神社・奥宮】
創建年
- 不明
- 推定:806年(大同元年/平安時代)
建築様式(造り)
- 一間社流造
屋根の造り
- 檜皮葺
御祭神
- 左殿:田心姫命
- 中央殿:市杵島姫命
- 右殿:湍津姫命
※宗像三女神
発願者
- 弘法大師・空海
- 平清盛
社格
- 厳島神社・境外摂社
例祭
- 2月1日
御山神社の読み方
「御山神社」は「みやまじんじゃ」と読みます。
御山神社の別名
往時は「三鬼さん(さんきさん)」とも呼ばれていたようです。
厳島神社の「奥宮」とは?
知る人は知っていますが、実はこの御山神社は厳島神社の「奥宮」の社格を持ち併せた社です。
当サイトの別ページですでにご紹介しておりますが、厳島神社には「外宮」、「本宮(内宮)」そして「奥宮」が存在します。
外宮とは本土の広島県廿日市市の宮島の対岸に位置する「地御前神社(じごぜんじんじゃ)」になります。ウフ
本宮(内宮)とは麓の「宮島・厳島神社」のことです。
「奥宮」とは、本殿の最奥に位置する社殿のことを指し、神社の場合はおおむね本殿でお祀りされている主祭神が祭祀されていることが多いです。
お寺の場合は「奥の院」と呼称され、「お寺を創建した人物」や「その人物の家族など」が祀られいることが多いです。
厳島神社・御山神社の歴史
御山神社は昔、お堂だった?!!
実は御山神社は、もともとは「堂宇(お堂)」として、弘法大師・空海によって806年(大同元年/平安時代)三鬼大権現を勧請して創建されています。
その後、平清盛の発願によって厳島神社の鎮守として「奥宮」に定められています。
そしてなぁんと!明治時代の神仏分離令が公布されるまで「三鬼堂(さんきどう)」と言う名前のお堂でした。
察しの良い方であればもうお分かりのハズですが、上述した読み方で「さんきさん」と呼称される理由とは「三鬼堂」の名前がもとになっています。
大師・空海は弥山とも関わりが深く、仏教の「須弥山(しゅみせん)」から字を取ってこの宮島の御山を「弥山」と名付けておられます。
厳島神社・御山神社の建築様式(造り)と社殿の配置図
御山神社は大聖院の弥山本堂よりもさらに上へ登った弥山の山頂に位置します。弥山の山頂は広いとは言えませんがその中に御山神社とその境内があります。
御山神社の境内には社殿が3つ「品」字の形に並んでおり、中央最奥の社殿に「市杵島姫命」、左殿に「田心姫命」、右殿に「湍津姫命」が祭祀されています。
中央殿は左右の社殿よりも一回りほど大きく造られており、さらに足元の礎石が左右の社殿よりも多く石積みされて一段高くなっています。
入口となる門(鳥居)の前には大正天皇が参拝された記念碑が建てられており、社殿群を囲む玉垣は入口の門(鳥居)と接続されています。
尚、御山神社は平成28年6月1日から修理を行っており、部材の修理と玉垣や社殿の塗装を行っています。
厳島神社・御山神社の御祭神は「仏様??」
かつては御山神社は「堂宇(お堂)」であったことから「三鬼神(さんきしん/三鬼大権現)」と呼ばれる仏様と神様が合わさった「権現様」が祭祀されていました。
「三鬼大権現」
追帳鬼神(ついちょうきしん)
「福徳」を司る鬼神。本地仏は「大日如来」
時眉鬼神(じびきしん)
「知恵」を司る鬼神。本地仏は「虚空蔵菩薩」
魔羅鬼神(まらきしん)
「降伏」を司る鬼神。本地仏は「不動明王」
現在はこれらの仏様は、同じ弥山内に位置する「三鬼堂」に遷されて安置されています。
「三鬼大権現」は、大きい天狗・小さい天狗を従え、強力な神通力を操り人々を救済すると云われる仏様です。
「初代内閣総理大臣の伊藤博文」や「戦国武将の福島正則」も篤い崇敬を寄せていたと伝わっています。
宮島・御山神社の場所とアクセス(行き方)
御山神社は弥山の山頂に位置し、大日堂の石階段を降って、弥山本堂向かう山道の反対側の山道を登っていきます。
宮島ロープウェイ「獅子岩駅」からアクセスの場合、徒歩で30分から40分ほどかかります。
弥山の山頂までの道は険しく、道悪な場所や分岐点も多々ありますが、看板が立っていますので看板を見ながら御山神社まで何とか到着することができます。
御山神社へ行く途中の道々には「原生林」と言われる木々が生い茂っており、これらの木々は国の指定を受けています。その木々の間に突然のように朱色の鳥居が現れますが、これが御山神社の入口の鳥居となります。鳥居を過ぎてから5分から10分ほどさらに山を登った先に御山神社の朱色の殿舎が見えてきます。
弥山の秋の紅葉の光景は言葉を無くしてしまうほど美しく「秋(安芸)の宮島」と言うブランドネームを構成する要素の1つともなっています。
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