弥山とは?
「弥山(みせん)」は孤島である宮島(厳島/いつくしま)という島内にある標高535mもの山のこと。
分かりやすく言うと厳島神社の後方にそびえる山のこと。
「弥山」の名前の由来
弥山の名前の由来は仏教の教理にある「須弥山(しゅみせん)」からきているとされる。
「須弥山」とは、インドの遥か南方にある想像上の島とされ、この島の頂きには「善見城(ぜんけんじょう)」という城があり、帝釈天が暮らしている。
また、帝釈天の配下となる数あまたの菩薩たちも暮らす神聖な場所でもある。
弥山は古くから島全体が厳島の神として崇められ、人が住めなった時代もあったほど神聖視されてい‥‥‥申す。ダハっ
弥山の歩み(歴史)
大正初期にドイツの植物学者が来山し、他所ではなかなか見れない植生が発見され、植物学的な価値が見いだされた。
これが基となり、現在にいたっては宮島(厳島/いつくしま)の面積の158.7ヘクタールが1929年に国の天然記念物に指定された。
158.7ヘクタールは島全体面積の5.3%に相当し、1996年(平成8年)12月に登録された世界遺産の構成資産でもある。
1952年には島全体が文化財保護法に基づく特別史跡・特別名勝の指定を受け、次いで1975年には広島県教育委員会が保存管理計画を策定するに至り申す。
現在、1996年に世界遺産の指定を受けたこともあり、樹木の伐採などは許可なく行うことができず、厳しい規制がしかれている。
枝葉を払う際にも文化財保護法に基づいて、「現状変更届」を文化庁へ申請する必要があるとされる。
2019年10月に広島県が文化庁に無許可で33本もの樹木を伐採したことはニュースで大きく取りざたされている。
宮島の歴史
593年(推古元年)に、佐伯部(さえきべ)の有力者であった佐伯鞍職(さえき くらもと)が現在地に嚴島神社を創建したのが事の始まり。
以来、信仰の聖地として注目を集めることになり、806年(大同元年)になると、中国・唐より帰朝した弘法大師・空海が宮島に入島し、弥山へ登り修行したとされる。
その後、宮島は信仰の地として注目が集まる一方で島全体が御神体として神聖視されるようになり、往時は神職や僧侶でさえも島に渡るときは祭礼の時のみと厳しく定められていた。
島全体が神が依りつく御神体ということで、島へ上陸する際は入念に身体を清める潔斎(けっさい)が必須というあり様だった。
このような人が立ち入ることが叶わない度が過ぎた信仰は、さらに世間から注目を集める結果を生み、やがて山岳信仰・大師信仰などと合わさって「宮島信仰」なる信仰が生まれ、世に浸透していく。
宮島に人が住み始めたのは鎌倉時代末期頃から!
宮島信仰が広まりを見せる中、宮島・弥山を対象とした祭礼や法会の数が増加し、それに比例して参集する参詣者も増加する。
この様相は鎌倉末期になると、ついに「入島叶わず」の戒律が破られることになり、神職や僧侶のほか、役人や庶民までもが島内に住み始めるようになり、やがて町が形成されていった。
室町時代には交易都市として隆栄す!
室町時代に入ると中国・明や琉球王国などとの交易が盛んになり、宮島は海運で賑わう瀬戸内海の要衝として見られるようになると、それまでの「神が斎く島(神に仕える島)」とまで神聖視された島の様相は一変した。
このように宮島は鎌倉末期頃から室町時代にかけて大きく変貌を遂げ、信仰の地でありながらも港湾都市・商業都市としての側面を担うこととなった。
弥山原始林とは?
「弥山原始林(みせんげんしりん)」とは、弥山の標高約529.8mの北斜面一帯の森林地帯のこと。
前述したように鎌倉時代末期頃から宮島に人が住むようになってからも、弥山は山岳信仰・弘法大師の霊跡として神聖視され続けたため、古代より自然環境は極端な変化がないと云われる。
宮島・弥山原始林の概要
名称 | 瀰山原始林 |
読み方 | みせんげんしりん |
指定区分 | 国指定 |
種別 | 天然記念物 |
指定年月日 | 昭和4年12月17日 |
所在地 | 広島県廿日市市宮島町弥山 |
標高 | 535m |
公開状況 | 見学可能 |
弥山は一万年以上前から姿をとどめる世界遺産指定の山
弥山では発掘調査が行われており、その結果、弥山北側の標高270m〜280m地点の岩塊群周辺から古墳時代末から奈良時代にかけての須恵器や土師器、瑪瑙製勾玉、鉄鏃など「祭祀遺物」が見つかってい‥‥‥申す。ブィォホっ
つまり、島内にて神の降臨などの何かしらの儀式が執り行われていたと見られてい‥‥‥申す。ガヘっ
806年(大同元年/平安時代)には弘法大師が来山して大聖院を開創するなど、古くから信仰の地として見られていたために人が入島することが叶わず、その甲斐あって原生林がそのまま残されてい‥‥‥申す。ギャホェっ
平成8年(1996年)、厳島神社の後背地である「常緑広葉樹(照葉樹)が生い茂る一帯」が「弥山原始林」として世界遺産に指定されてい‥‥‥申す。ポテチ ハ カルビィっ!
弥山は宮島における世界遺産として登録されたエリア
宮島は「厳島神社」という名称で世界遺産に登録されており、厳島神社を中心とした前面の大鳥居周辺の海域および、背後の弥山原始林(天然記念物)を含めた森林区域431.2ヘクタールが世界文化遺産指定を受けてい‥‥‥申す。ワヒョっ!
431.2ヘクタールという数字は、厳島(宮島)全域の約14パーセントをも占める広範囲にわたっています。
弥山が世界遺産登録された理由
弥山が世界遺産に登録された理由は、嚴島神社という文化遺産に加え、周囲をとりまく海や弥山原始林を中心とした自然遺産が基になってい‥‥‥申す。ガギャっ
豊富に生息する多種類の植物
弥山には意外にも生息している植物の種類が豊富にあり、標高に応じ、南方系から針葉樹、原始的植物など、様々な植生の植物たちを観察することができまする。
弥山原始林の植生
弥山の原始林には標高によって様々な植生の植物が見られますが、大まかには次のような3つの帯に大別されまする。
- 山麓部の緩斜面
- 海抜300 mより低い山地
- 300 m以上の山地
山麓部
山麓部の緩斜面に見られる植物一覧
- クスノキ・クマノミズキ群落が多い
- 大元公園や紅葉谷公園付近ではモミ-ミミズバイ群落が顕著
そのほか、モミ、クスノキ、カヤ、ミミズパイ、カンザブロウノキ、シキミ、アセビ、イヌガシ、シロダモ、タイミンタチバナ、ホウロクイチゴ、ハスノハカズラ、イズセンリョウ、ヒメイタビ、キッコウハグマ ….etc
海抜高300m以下
例えば、海抜高300m以下の斜面には、目につくところでコジイの群落や夕イミンタチバナ、シリブカガシ、トキワガキ、ウパメガシ、ミミズバイなどがありまする。
海抜高300m以下の植物(照葉樹)一覧
- ブナ科(コジイ、シリブカガシ、アラカシ)
- ツバキ科(ヤブツバキ、サカキ、ヒサカキ.モッコク)
- クスノキ科(シロダモ、イヌガシ、ヤブニッケイ)
- ハイノキ科(クロキ、クロバ イ、ミミズパイ、カンザブロウノキ)
- モクセイ科のネズミモチ
- バラ科のカナメモチ
- シキミ科のシキミ ….etc
海抜高300m以下の植物(木生つる植物)一覧
- サカキカズラ
- テイカカズラ
- マツブサ
- ウラジロマタタビ
- ミツバアケビ
- サンカクヅル ….etc
海抜高300m以下の植物(林床・陰生植物)一覧
ペニシダ ….etc
(広島大学しらべ)
海抜300 m以上
300m以上の山地に見られる植物一覧
アカガシ、ウラジロガシ、ツクバネガシ、ハイノキ、ミヤマシキミ、モミ、ツガ、アカガシ、ツクバネガシ、ウラジロガシ、カゴノキ、イヌガシ、シロダモ、ヤブ ニッケイ、シキミ、ソヨゴ、クロバイ、ハイノキ、ヤブツバキ、ヒサカキ、サカキ ….etc
海抜高300m以下の植物(林床・陰生植物)一覧
ミヤマシキミ、サンヨウアオイ、ベニシダ ….etc
以上、これらの様々な種類の植物が生息していることから、冬でも葉が生い茂る植物もあり、年がら年中、何かと見どころが多い場所でもあります〜る。
モミとミミズバイが共生している稀有な環境
弥山では南方系・高山植物のミミズバイの群落が見られるが、暖温帯性の針葉樹であるモミの木の周りに自生しており、これは宮島以外の場所では、まず見られないと云われる。
弥山の大きな見どころとなってい‥‥‥申す。ドゥキャっ
生きている化石「ヤマグルマの群落」
弥山には「生きている化石」ともいわれる「ヤマグルマ」の群落があるが、ヤマグルマは別名で「トリモチノキ(鳥黐)」の木とも呼ばれるように何かと重宝される木である。
「トリモチ」と言えばネズミやゴキ捕りで用いられるネバネバのイヤぁ〜ン💕でゴザる。 なんやそれ
弥山原始林内にも存在する「二次林」
「二次林(にじりん)」とは、過度な伐採や風水害、山火事などの影響により森林が消失した場合、土中に残ったわずかな種子や植物体の生長などにより再生した森林のことをいう。
弥山原始林内にも、このような二次林があり、その代表例として「アカマツークロバイ」の群落がある。
このアカマツのニ次林にはクロバイ、ヤブツバキなどの照葉樹の他、ネジキ、リョウブ、ウリハダカエデ、コバノミツバツツジなどの落葉広葉樹が混生してい‥‥‥ちょぃ休憩。(連発はネタ切れを生む)
林床にはコシダ、ウラジロなどの陽生植物が密生する。
生息する鹿をはじめとした様々な動物たち
弥山には古くからシカなどの野生動物が生息してい‥‥‥まする。(フェイント)
宮島桟橋で人馴れしているシカがいますが、あのシカたちももとは弥山に生息していた野生のシカたちです。
宮島の鹿は、あくまでも自然の生き物なので化学調味料が含まれた人間の食べ物を与える行為は控えましょう。
弥山内に設置されている案内看板の内容
大正2年にベルリン大学教授のアドルフ・エングラー博士が宮島を訪れ弥山に登山した際、ヤマグルマやマツブサなどの植物系学上の貴重な植物を見て多いに感激した。
この世界的な植物学者は「私はできるならば一生ここに住んでここで死にたい」とまで言わせたほど、弥山の植物を激賞したという。
彼の強い勧めで三好学博士が天然記念物の指定を進言し、昭和4年に国指定。昭和32年には特別保護区になった。
面積は158.7ヘクタールに及び、弥山の北斜面を占める。ツガ林とアカガシ、シロガシ、ツクバネガシなどを伴うアカマツ林から構成され、西南日本の暖帯から中間帯を代表する森林で、瀬戸内海の島に残る極相林として貴重な存在である。
弥山には一斉清掃の日があった?
この弥山は世界遺産登録されていることもあり、景観を維持するための活動として地元の有志たち一同が立ち上がり、「宮島弥山を守る会」を結成してい‥‥‥申す。グヘェっ
毎月21日を弥山の清掃日と定めて清掃をされてい‥‥‥申す。ジェゲっ
弥山は世界遺産指定を受けるにあたり、世界から注目を集める一方で、注目を集めた分だけ多くの観光客が来訪する一大観光スポットでもある。
人が集えば何かと問題が生じるのは必然。その1つが廃棄物、いわゆる「ゴミ」。
世界遺産と呼ばれるにふさわしい弥山の景観を守り続けるために日夜努力している人々がいることを忘れてはならない。
弥山を守る会では清掃以外にも会員同士の交流会やイベント行事、勉強会、広報活動、植樹なども実施されている。
興味のある方は下記に公式サイトまで。オホ
- https://www.miyajimamisen.org/(宮島弥山を守る会)
宮島桟橋から宮島弥山原始林への交通アクセス
- 宮島桟橋からの距離約1.5km、所要時間徒歩2時間
宮島ロープウェーの紅葉谷駅から乗車時間約14分を経て獅子岩駅で下車、下車後徒歩30分。(宮島桟橋から紅葉谷駅までは徒歩約16分)
弥山原始林へはいくつかの登山コースが設定されてい‥‥‥申す。ガヒャっ
詳細は下記ページにて。
弥山原始林の場所(地図)
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