宮島・厳島神社「宝物館」【登録有形文化財】
竣工年
- 1933年(昭和8年)
開館年
- 1934年(昭和9年)
建築様式(造り)
- 入母屋造
- 妻入り
- 鉄筋コンクリート造
- 一重平屋建
屋根の造り
- 銅板葺
広さ
- 総面積:808m2
登録有形文化財指定年月日
- 1996年12月20日(平成8年12月20日)
施工者
- 有限会社 清水組
設計者
- 大江新太郎
発願者
- 宮島・厳島神社
厳島神社・宝物館の読み方
宝物館はそのまま「ほうもつかん」と読みます。
厳島神社・宝物館の建築様式
嘘っ?!厳島神社の宝物館はコンクリート造り??
厳島神社の宝物館は1933年(昭和8年)に造営され、1934年(昭和9年)に開館したコンクリート造りの宝物展示施設です。
厳島神社の社殿の建築様式と似せて造られており、一見コンクリート造りには見えません。
コンクリートで造られた理由はなんだかお分かりになりますか?
ちょっと考えてみてください。
・・
・・
・・残念無念!正解は単純に館内で保管されている国宝級の宝物を災難や盗難から守るためです。
厳島神社の周囲は海に囲まれている上、付近の2つの川は時に土砂災害があります。はたまた島内に位置し、木造建造物がひしめきあって建っていますので火事が起これば類焼の恐れが懸念されます。
もしくはルパン三世のような大泥棒が狙っているかも知れません。フぅ〜ジぃこちゃ〜ん
宝物館の屋根と敷地面積
屋根は銅で葺かれており、切妻造りの妻入りの様式です。
面積は坪数で約240坪あり、一般的な戸建住宅7件分もの広さがあります。
社寺建築の第一人者でもある「故・大江新太郎氏」が残した遺作の1つとも言える建造物であることから、「登録有形文化財」に指定されています。
厳島神社・宝物館の展示物
宝物館には、厳島神社の創建以来現在に至るまでの約1400年の間に厳島神社に奉納された品々や、伝来した宝物を展示しています。その中には当然、国宝および重要文化財の指定を受けているお宝も多数展示されています。
ちなみに宝物館の内部は写真撮影は禁止されておりますのでご注意を。オホ
宝物館に展示されている宝物の種類
- 兜
- 刀
- 鎧
- 面
- 書物
- 絵画
- 舞楽の装束
- 扇子
宝物点数
- 約4500点
厳島神社・宝物館の目玉のお宝・一覧「国宝・重要文化財」
「平家納経」【国宝】
「平家納経」は「へいけのうきょう」と読み、巻物の形状をした経典の一種です。全部で「33巻」存在し、33巻を総称して平家納経といいます。
これは、平清盛が1167年に太政大臣に就任した際の御礼として、厳島神社へ奉納したものと伝わっています。
しかし実際は、編集・奉納は1164年以前から開始され、33巻すべての奉納完了が1167年とも云われます。
これら33巻は平家一門33人一人一人がそれぞれ1巻ずつ写経したもので、平安期の文化や時代背景を知る上で貴重な資料の1つともなります。
「写経」と聞くと、現代の私たちは、白い紙に黒い墨でひたすらお経を書き写したものを想像しがちですが、平家納経はそうではありません。
まず、各巻の表紙は金や銀の金具で飾られ、水晶で作られた軸には、金銀の装飾金具がついている他、螺鈿(らでん=貝殻の内側のキラキラ光る面を貼り付ける細工)も施されました。
お経が書かれた面には、それぞれのお経の内容に即した美しい見返し絵が描かれ、さらに、金箔や銀箔を小さく切ったものを散らすなどの装飾が見られます。
また、文字も黒い墨だけでなく、着色されています。
装飾が施された経典は平安時代に流行していましたが平家納経だけは別格で、当時のあらゆる工芸技術を結集した芸術作品にもなっています。
こうしたことから平家納経は、「装飾経(そうしょくきょう/平安時代の貴族の間で流行した装飾を施した経典)の最高傑作」と称賛されるのです。フぅ〜ジぃこちゃ〜ん
現在、宝物館にある平家納経33巻は精巧に作られたレプリカであり、オリジナルは厳島神社に収蔵されていて、残念ながら目にすることはできません。
1954年(昭和29年)3月20日には、33巻すべてが国宝指定となっています。
平家納経の概要
- 法華経30巻
- 阿弥陀経1巻
- 般若心経1巻
- 平清盛直筆の願書1巻
小桜韋黄返威鎧【国宝】
大きさ(サイズ)
- 鎧高:72.7㎝
- 兜鉢高:11.5㎝
- 大袖:46.5㎝
重要文化財指定年月日
- 1899年8月1日(明治32年8月1日)
国宝指定年月日
- 1951年6月9日(昭和26年6月9日)
「小桜韋黄返威鎧」とは、「こざくら かわきかえし おどしよろい」と読み、これは源氏の「源為朝(みなもとのためとも)」の鎧として伝来しているものです。
「源為朝」とは?
源為朝は朝廷内の諍い(いさかい)である「保元の乱」で日本を追放された人物であり、その際、現在の琉球(沖縄)へ渡海して琉球王国を建国した「始祖・舜天(しゅんてん)」と目されている人物です。
また、「大将軍・八幡太郎義家公(はちまんたろう よしいえ)」の曾孫にあたる人物でもあります。
彩絵「檜扇」
制作年
- 1000年から1185年(平安時代後期)
大きさ(サイズ)
- 縦幅:30㎝
- 横幅:48.5㎝
国宝指定年月日
- 1952年11月22日(昭和27年11月22日)
「檜扇」は「ひおうぎ」と読み、これは檜(ヒノキ)でできた扇(折りたたみのウチワ)のことです。「檜薄板34枚」を金具で止めて扇の形状に加工しています。
扇となる部分には白地に「雲母(きら)」と呼ばれる雲母(うんも)の粉を引き、金箔や銀箔を色々な手法で散らした上に、彩色豊かな「平安絵巻」が描かれています。
彩絵「檜扇」は、平安時代に作られた中ではもっとも豪華な檜扇であり、貴重な工芸品であることから、国宝指定になっています。
工芸品であると共に、当時の様子を描いた絵も見られることから、平安時代の文化を知る上では貴重な資料の1つでもあります。フぅ〜ジぃこちゃ〜ん
木地塗螺鈿飾太刀【重要文化財】
造刀年
- 1000年から1185年(平安時代後期)
大きさ
- 長さ:103cm
重要文化財指定年月日
- 1899年8月1日(明治32年8月1日)
「木地塗螺鈿飾太刀」は「きじぬりらでん かざりたち」と読み、平安期に造られた「飾り太刀」です。
「飾り太刀」とは、主に宮中で帯刀する際に用いられた「飾りの刀」のことです。
「飾り太刀」の特徴は、刀身が細い造りをしていることにあります。
室町期あたりから江戸時代にかけては刀身は太くなっていきましたが、明治時代に入ると再び「飾り太刀」を模した「細太刀」が流行しており、主に政府の高官が帯刀していました。
その他「格式のある儀式」でも用いられており、「細太刀」は現代に至っても伝統的な儀式などで用いられることがあります。
錦包籐巻太刀【重要文化財】
造刀年
- 1000年から1185年(平安時代後期)
大きさ
- 長さ:102cm
重要文化財指定年月日
- 1899年8月1日(明治32年8月1日)
「錦包籐巻太刀」は「にしきつづみとう まきたち」と読み、上記の「木地塗螺鈿飾太刀」と同様の飾り太刀です。
平安時代に造刀されて以来、数少ない現存するお宝の1つです。
飾り刀のような細い刀は平安時代の文化の特色をよく示す、貴重な資料とも言えます。
注意点としては、これらの国宝や重要文化財の品々が、常時、展示されているわけではないと言うことです。
展示物が気になる場合は、下記の厳島神社・宝物館(厳島神社・社務所)へ確認してみてください。フぅ〜ジぃこちゃ〜ん
宝物館へ入る前にちょっと!
宝物館に入る時に気がつくハズですが、入口右側に巨大なサメの歯のような置物があります。
この置物、なんだかお分かりになりますか?ちょっと考えてみてください。
・・
・・
・・はい、
海水に浸かっている根元部分が腐ってきたので1950年(昭和25年)に根継ぎ工事が行われており、翌年の昭和26年に取り替えられた際に旧主柱に使用されていた楠になります。
「根継ぎ」とは、根元部分のみを取り替える修理工事のことです。
この置物がかつての大鳥居の柱だったとして、もっとも驚く点は真ん中部分に大きな穴ボコが空いている事実です。この状態でよく直立していたなぁ..と感心せざるをえません。
ちなみにこの穴ボコの理由は虫に食われた跡です。大きな穴ボコの周囲にも細かなブツブツ穴があるのが見受けられますが、これは参拝者が鳥居の表面に賽銭を挟み込んだ跡だそうです。
こうして見ると賽銭を挟むことによってどれだけ鳥居を傷つけているのかがよく分かります。くれぐれも賽銭を挟むのだけはお止めください。チュっ♥
厳島神社・宝物館のINFO
- 住所: 〒739-0505 広島県廿日市市宮島町1-1
- 電話番号:0829-44-2020
- 営業時間:8時から17時まで
- 定休日:年中無休
- URL:厳島神社のホームページはコチラ
厳島神社・宝物館の入場料(入館料金)とお得な割引について
- 入場料金:300円
厳島神宮へ入館(入場)される際は、宝物館と厳島神社の「拝観共通券」が販売されていますので、割引価格で入場できるのでお得です。
- 拝観共通券の料金:500円
厳島神社と宝物館へ普通に行った場合の料金
- 厳島神社の入場料金:300円
- 宝物館の入場料金:300円
=合計600円
つまり、共通券を購入すると100円お得になります。
こちらのページでご紹介した料金などは、変更になっている場合がありますので、最新情報は公式ホームページなどでご確認ください。
厳島神社・宝物館の「場所とアクセス(行き方)」
多宝塔の脇、宮島・大願寺の正面になります。フぅ〜ジぃこちゃ〜ん
- 宮島桟橋から徒歩で約18分
- 厳島神社から徒歩3分
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