宮島・七浦神社とは?「七浦巡り(御島巡り)」の歴史(由来)や方法・「ぐるっと宮島再発見」など

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宮島・七浦神社とは?「七浦巡り(御島巡り)」の歴史(由来)や方法・「ぐるっと宮島再発見」など

こちらのページでは、宮島の七浦神社をめぐる「七浦巡り」について、歴史(由来)や方法を中心にご紹介します!

七浦神社・七浦巡り(御島巡り)とは

世界遺産・厳島神社を擁する広島県の宮島の島の周囲は、約30kmあります。

その海沿いには多数の神社が点在しており、このうち7つの浦(入り江)にある7社を特に「七浦神社(ななうらじんじゃ)/七恵比寿神社)」と呼びます。

そして、「七浦巡り」または「御島巡り(おしまめぐり)」とは、船に乗って島の周りを1周しながら七浦神社に巡拝することを言います。

なんと織田信長も行ったと言われる「七浦巡り」は、古くからの風習のようで、宮島に伝わる「安芸の宮島まはれば七里、浦は七浦七恵比須」という里唄(さとうた)にも歌われています。

1里は約3.9kmですから、7里は約27km、つまり島の外周の長さを表し、「七浦七恵比須」は七浦神社を指しています。

なぜ「七恵比須(恵比寿)」なのか:

エビスさまは、七福神のうちの1神としても知られる神で、商売繁盛などあらゆる産業の守護神として親しまれています。
しかし、本来はヒルコノミコトといい、海の神、漁業・航海の神なのです。
七浦神社にかつてエビスさまが祀られていたかどうかはわかりませんが、海の神を祀る神社の総称として「七恵比須」と歌われたとも考えられます。

七浦巡り(御島巡り)の由来

七浦巡り(御島巡り)の由来は、昔、厳島神社のご祭神が、島を一周して自らが鎮座する場所を探したという言い伝えにあります。

かつて厳島神社に詣でる人は、このご祭神の浦巡りに習って七浦神社を巡り、心身を清める神事を行っていました。

この神事は「御島廻式(御島巡り)」と呼ばれ、後に観光も兼ねた七浦巡り(御島巡り)へと繋がります。

現在、「御島廻式」は、毎年3月初旬と9月初旬の七浦神社祭の際と、5月15日(厳島講社員向け)に、執り行われます。
(希望があれば別日程でも開催されます)

各神社を海上から、または上陸して詣で、祝詞を奏上したり、お供え物をしたりしますが、中でも重要な儀式が、養父崎神社の沖合で行われる「御烏喰式(おとぐいしき)」と呼ばれるものです。

これは、養父崎浦の沖で、海上に浮かべたいかだに御幣(ごへい)と粢団子(しとぎだんご:米の粉を海水で練った団子)を供える儀式です。

ご祭神が浦々を巡った際には、宮島の弥山(みせん)に住む神烏(ごがらす/神鴉)が先導役となったと言い、「神烏伝説」として語り継がれています。

海上にお供えをすると、この神烏が2羽姿を現し、団子をくわえて、ご祭神を案内した時のように、海岸に祀られる養父崎神社に行くのだそうです。

御烏喰式は厳島神社の創建にまつわる重要な儀式で、参加すると幸福が訪れるとされています。

「神烏伝説」:

ご祭神自身が浦々を巡ったわけではなく、ご祭神が佐伯鞍職(さえきくらもと:厳島神社の創始者)の夢に現れ、烏の案内でたどり着いた場所に自分を祀るように伝えたとも言われています。

神烏伝説と「御烏喰式」については、当サイトの以下のページ↓で詳しくご紹介しています。

宮島・厳島神社「燈籠上の神烏(カラス像)」の由来・意味

ここで、2種類の「御島巡り」について整理しますと、以下のようになります。

  1. 「御島廻式(御島巡り)」
    厳島神社により年に3回行われる祭祀で、各神社を巡りながらそれぞれの場所で祝詞奏上などの神事を行う。一般の人は参加できない。
  2. 「七浦巡り(御島巡り)」
    御島廻式に由来する神社の巡拝で、団体・個人で自由に行う。

こちらのページでは、厳島神社の神事を「御島廻式(御島巡り)」、観光目的の巡拝を「七浦巡り(御島巡り)」と表記します。

「ぐるっと宮島再発見」で七浦巡りを体験!

厳島神社の神事としての「御島廻式(御島巡り)」は、厳島神社の崇敬者団体である「厳島講」のメンバー以外は、基本的には参加できません。

ただ、観光としての七浦巡りは色々な方法で体験することができ、その一般的なのが、宮島観光協会の遊覧船クルーズ「ぐるっと宮島再発見」への参加です。

こちらの船に乗れば、およそ2時間半で、七浦巡りをすることができます。

途中、七浦神社の4つ目にあたる青海苔浦(青海苔浦神社)には、正しい巡拝方法に乗っ取り、上陸して参拝します。

七浦巡り開催日は年4日と限られており、事前の申し込みが必要なため、ご希望の方は早めにご検討ください!

最新の日程や募集状況は、宮島観光協会のホームページで確認してくださいね。

なお、雨天決行ですが、荒天の場合は、中止になったり、コースが変更になったりする場合があります。

「ぐるっと宮島再発見」開催日程・料金など(2018年版)

日程

  • 2018年4月29日(日)
  • 2018年5月27日(日)
  • 2018年9月23日(日)
  • 2018年10月21日(日)

※10時出港、12時30分頃帰港

参加料金

  • 大人:3,000円
  • 小人(6~12歳):2,000円
  • 6歳未満:無料
定員

  • 各回40名 (先着順に受付け)
申し込み方法

  • 各開催日の2か月前から電話で受付け
申込み・お問合せ電話番号(宮島観光協会)

  • 0829-44-2011

シーカヤックで七浦巡り!

七浦巡りは観光協会の遊覧船に乗らないとできないのか・・

いえいえ!そんなことはありません。

七浦神社へは、陸路からアクセスすることもできます。

しかし、海岸線を歩いて行くには、潮の満ち引きの大きさや時間を把握している必要があり、また、森の中も通るため、宮島の地理に詳しい案内役が必要です。

また、七浦神社のうち1社か2社に参拝するなら、徒歩、または、自転車や車を借りて行くこともできますが、陸路で七浦神社を一気に巡るのは、時間的にも体力的にも、かなり困難です。

そこで、観光協会の遊覧船以外におすすめする七浦巡りの方法は、船は船でも「シーカヤック」です。

波の穏やかな宮島沿岸でシーカヤックを楽しむだけでなく、歴史ある七浦巡りができるとなれば、非常に貴重で有意義な体験になりますよ!

以下では、宮島で七浦巡りが体験できる、シーカヤックツアーをご紹介します。

1時間~3時間の、よりお手軽なシーカヤック体験をご希望の方も、ホームページなどを覗いてみてください。

HARTアドベンチャーセンター「宮島満喫!1DAYツアー『宮島七浦巡り』」

所要時間

  • 6時間程度
ツアー料金

  • 大人12,000円
  • 中高生10,000円

※傷害保険、シーカヤック装備一式・シーカヤックガイド料、島内案内含む

ツアー開催期間

  • 3月~10月
催行人数

  • 2名~6名

※6名を超える場合は要相談

ツアー行程

宮島の大鳥居付近から出発し、浜での休憩やランチタイムを挟みながら宮島七浦巡りを行って、また大鳥居まで戻ってきます。

予約方法

電話、またはホームページの申込フォームから問合せ・申込みができます。

HARTアドベンチャーセンターの住所・お問い合わせ先

七浦神社(七恵比寿神社)とは?「七浦巡りでめぐる神社紹介」

七浦神社(七恵比寿神社)および七浦巡り(御島巡り)で海上から見られるその他の神社は、すべて厳島神社の摂社・末社です。

七浦神社には日本の代表的な海の神である「綿津見(わたつみ)神(三神)」、「住吉三神」、「宗像三女神」が祀られており、7社すべてに詣でる七浦巡りクルーズは、これらの偉大な神々のご加護を祈願できる、ありがたい航路となっています。

以下では、御島廻式(御島巡り)の順路に従い、厳島神社の宮島桟橋(大鳥居付近)を出発し、右回り(時計回り)に宮島の周辺を1周するルートで通る順番で、参拝する各神社をご紹介します。

長浜神社(ながはまじんじゃ)

御祭神

  • 興津彦命(おきつひこのみこと)、興津姫命(おきつひめのみこと)、所翁

※厳島神社摂社

長浜神社には、檜皮葺の拝殿と瓦葺の本殿、そして満潮時には海に浮かぶ朱塗りの鳥居があります。

道路側から見た鳥居
拝殿(右)と本殿(左)

フェリーの宮島桟橋から、厳島神社とは反対方向に向かって数分歩いたところにあり、徒歩でも比較的簡単に参拝できる神社です。

毎年旧暦6月17日に行われ、「日本三大船神事」に数えられる「管絃祭」の祭場になります。

御祭神のおきつひこ命・おきつひめ命は、本来はかまど・火の神ですが、当宮は古くから「長浜えびす社」と呼ばれ、漁業の神として信仰されてきたということです。

杉之浦神社(すぎのうらじんじゃ) ※七浦巡り第1拝所

浦名

  • 杉之浦
御祭神

  • 底津少童命(そこつわたつみのみこと)

※厳島神社末社

七浦神社の1社目で、御島廻式の際には、上陸して祝詞奏上、奏楽などの神事が行われ、神酒がふるまわれて朝の食事をとります。

ソコワタツミ命は、イザナギが黄泉から帰り禊をした時に生まれた「綿津見(わたつみ)神」3神のうちの1柱で、その名の通り、海を司る神です。

大きな拝殿の後ろに、朱塗りの本殿があります。

包ヶ浦神社(つつみがうらじんじゃ)

浦名

  • 包ヶ浦
御祭神

  • 塩土翁(しおつちのおぢ)

※厳島神社末社

包ヶ浦神社沖では、御島廻式の際、養父崎神社と同様に、幣串と団子をお供えします。

崖の前にある「包のえびす岩」と呼ばれる岩の上に鳥居と本殿が建ち、背後に浜がないため、海上からしか参拝できません

包ヶ浦は、1555年(天文24年/弘治元年)の厳島合戦の際、毛利元就が率いる軍が上陸した地として知られています。

また、明治期には、日本切っての軍港である広島防衛のため、軍の施設が置かれました。

現在、包ヶ浦にはキャンプなどが楽しめる「宮島包ヶ浦自然公園」が整備されています。

塩土翁は『古事記』や『日本書紀』に登場する長老の神で、潮流を司る神航海の神、また、予言の神などとして信仰されています。

鷹巣浦神社(たかのすうらじんじゃ/鷹ノ巣浦神社) ※七浦巡り第2拝所

浦名

  • 鷹巣浦・入浜
御祭神

  • 底筒男命(そこつつのおのみこと)

※厳島神社末社

七浦神社の2社目で、浜に築かれた石垣の上に鳥居が建っています。

もともとは社名の通り鷹巣浦に鎮座していましたが、1898年(明治31年)に砲台を設置するため、現在の入浜に移されました。

鷹巣浦の砲台跡

そこつつのお命は、イザナギの禊の際に「わたつみ神」3神と共に生まれたとも言われる「住吉三神」のうちの1柱で、海の神・航海の神などとして信仰されています。


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腰少浦神社(こしぼそうらじんじゃ/腰細浦神社) ※七浦巡り第3拝所

浦名

  • 腰細浦
御祭神

  • 中津少童命(なかつわたつみのみこと・中津綿津見神)

※厳島神社末社

七浦神社の3社目で、前出の鷹巣浦神社と同様に、砂浜の上に築かれた石垣の上に鳥居が建立されています。

なかつわたつみ命は、「わたつみ神」3神のうちの1柱です。

青海苔浦神社(あおのりうらじんじゃ) ※七浦巡り第4拝所

浦名

  • 青海苔浦
御祭神

  • 中筒男命(なかつつのおのみこと)

※厳島神社末社

七浦神社の4社目まで来ました。

青海苔浦では、御島廻式の際には上陸して神事が行われ、また、宮島観光協会の「ぐるっと宮島再発見」クルーズでも、上陸して参拝することができます。

鳥居、拝殿、本殿を備え、砂浜に鎮座する神社です。

青海苔浦神社・本殿

1555年(天文24年/弘治元年)の厳島合戦で、毛利軍に敗れた陶晴賢は、青海苔浦から船で逃げようとしたものの船が無かったために逃走を諦め、青海苔浦に注ぎ出る青海苔川の上流で自害したという説があります。
(自害した場所については諸説あり)

なかつつのお命は、「住吉三神」のうちの1柱です。

養父崎神社(やぶさきじんじゃ/養父崎浦神社)

浦名

  • 養父崎浦
御祭神

  • 霊鴉神(ごがらすのかみ)

※厳島神社末社

ごつごつとした岩場に鳥居と本殿が建立されており、厳島神社の御祭神に鎮座の場所を示したという神烏(ごがらす/神鴉)を祭神として祀っています。

養父崎神社の沖合では、御島廻式の中でもっとも重要な儀式、「御烏喰式(おとぐいしき)」が行われます。

観光船では団子を備えたりはしないものの、神社の裏手の山にカラスの姿が見られることがあります。

山白浜神社(やましろはまじんじゃ) ※七浦巡り第5拝所

浦名

  • 山白浜
御祭神

  • 表津少童命(うわつわたつみのみこと)

七浦神社の5社目で、巨石で埋まった浜の上に鎮座する神社です。

うわつわたつみ命は、「わたつみ神」3神のうちの1柱です。

第1拝所の杉之浦神社、第3拝所の腰少浦神社に続き、山白浜神社を拝することで、3柱のわたつみ神をすべて拝んだことになります。

須屋浦神社(すやうらじんじゃ) ※七浦巡り第6拝所

浦名

  • 須屋浦
御祭神

  • 上筒男命(うわつつのおのみこと)

※厳島神社末社

七浦神社の6社目です。

砂浜にある神社で、御島廻式の際には上陸して神事を行い、直会(なおらい)が催されます。

うわつつのお命は「住吉三神」のうちの1柱です。

第2拝所の鷹巣浦神社、第4拝所の青海苔浦神社と、こちらの須屋浦を巡ることで、住吉三神すべてにお参りしたことになります。

直会(なおらい):
祭事の後に、神前に供えた神酒や御饌(みけ:食べ物)を、神職や参列者が共に食べること。
同じものを食すことにより、神と人が一体となることが根本的な意義とされ、本来は祭事の一部です。

御床神社(みとこじんじゃ/御床浦神社) ※七浦巡り第7拝所

浦名

  • 御床浦
御祭神

  • 宗像三女神

※厳島神社末社

七浦神社の最後、7社目です。

御床浦は、宗像三女神のうち、厳島神社にもっとも早くから祀られている市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)が、厳島神社の創建前に鎮座していたとされる場所です。

神社が建つ大きな平たい岩のひび割れが、厳島神社の御神紋・三亀甲剣花菱(さんきっこうけんはなびし)紋の由来とされており、条件が良ければ船の上からでもそのひび割れを確認することができます。

三亀甲剣花菱紋

厳島神社の御祭神・宗像三女神については、当サイトの以下のページ↓でご紹介しています。

広島県宮島・厳島神社の歴史(大鳥居・寝殿)を簡単に年表形式にてご案内

大元神社(おおもとじんじゃ)

御祭神

保食神(うけもちのかみ)、国之常立神(くにのとこたちのかみ/国常(底)立尊)、大山祇神(おおやまつみのかみ)、 佐伯鞍職(さえきくらもと)

※厳島神社摂社

大元神社は、本社よりも古くからある地主神と伝えられ、本殿は国の重要文化財に指定されています。

拝殿には、御島廻式を記念する「御島廻(回)」の扁額が奉納されており、江戸時代のものもあるそうです。

御島廻式記念の扁額

大元神社の建物についてやご祭神、祭祀に関する情報は、当サイトの以下のページ↓でご紹介しています。

宮島・厳島神社「摂社・大元神社」の「見どころ・歴史・由来・行事イベント」など

おわりに・・

七浦巡りの船からは、こちらのページでご紹介した神社の他、特徴的な形の岩やがけ、洞窟などが見えます。

これらの自然について、伝説や由緒の説明を聞きながら遊覧できるのも、七浦巡りの楽しみの1つです。

神が宿る神聖な島とされる宮島では、景観保護のため、海側からガードレールなどの人工の物が見えないように配慮されている点も見逃せません。

限られた機会ではありますが、チャンスがあれば、ぜひあなたも、七浦巡りにお出かけください。

いつもとは一味違う宮島観光になること、間違いなしです!

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